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”海に降る雪”について
雪は絶え間なく降り続け 絶え間なく消え続ける いく千万 いく億 いく兆もの 雪の結晶が 音もなく消え続ける ”大いなる消費” **************** 「消え去り続ける言葉」を テーマに言葉を綴ります 本サイトはこちらです。 自称ダンディ文豪(自称)の戯(ざれ)言 お気楽お楽しみなんでもあり。 皆さんへのコメント、訪問は こちらのe_vansが伺います。 以前の記事
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2004年 11月 25日
古い街道筋を歩くのが好きだ。
転勤したときに真っ先にする作業は、新しい町の道を覚えることである。幸いなことに色々な町に暮らしていると土地勘が備わってくるようで、大方どこに行っても少々道に迷ったくらいで目的地に着くことはできる。今の道路は便利にできているし、標識もかなりわかりやすい。 それともう一つ必ずやっていることが、古い道を探すことだ。道は古ければ古いほどいい。江戸期の街道沿いだったら文句ない。しかし、古い道筋は道路拡張事業やバイパス工事によって分断されていたり、家屋の増築によって全くなくなっていることも多い。そういった古い道筋を地図や付近の風景から推察して割り出すのが大好きなのだ。途切れ途切れになった街道を自力で見つけ出したときなど、ある意味ミステリー小説を読むことにも通じるような快感である。 旧街道筋は細く曲がりくねった道が多く、自動車で行くより歩いたほうが良い。また、徒歩のほうが家並みを観察したり、細い路地の奥に神社仏閣を発見したりに都合がいい。 旧街道に立って、その道の百年、二百年前の姿に思いをはせる。車二台がようやく交差できるほどの幅しかないのは、当時は飛脚や大八車が往来していたからだろうか。宿場町に残る古い旅籠の軒先が非常に低いことに驚く。これは当時の日本人の平均身長が低かったことに由来するのだろうか。この道が舗装されていなかった頃の景色を頭に描いてみる。旧東海道は、江戸と京都の交通の要所だ。この道筋を大名行列や幕末期だったら江戸から京に上る浪士隊(後の新撰組)や江戸に剣術修行に向かう坂本龍馬、さらに官軍の錦の御旗が通ったのであろうか・・・ 空想は果てしなく続いて止むことがない。 そういった観光名所でもない、過去から現代に生活の場として確実に繋がっている風景こそが、生身の歴史を我々に伝えてくれているような気がしてならない。 歴史資料館のなかでガラスケースに囲まれた資料も大切だが、日常の風景も大切なのではないだろうか。途切れ途切れになった旧街道をたどるたび、そんな思いが胸によぎる。
by bungo_eva
| 2004-11-25 22:26
| 雑文のようなもの
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