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”海に降る雪”について
雪は絶え間なく降り続け 絶え間なく消え続ける いく千万 いく億 いく兆もの 雪の結晶が 音もなく消え続ける ”大いなる消費” **************** 「消え去り続ける言葉」を テーマに言葉を綴ります 本サイトはこちらです。 自称ダンディ文豪(自称)の戯(ざれ)言 お気楽お楽しみなんでもあり。 皆さんへのコメント、訪問は こちらのe_vansが伺います。 以前の記事
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2004年 11月 07日
中東の紛争国で起きた殺人事件のことについて話そうと思う
ある青年が戦後の統治もままならない国に出かけていき 公然と殺人を行う集団に拉致され殺害された。国内はこの事件を色めきだって報道する。 あるものは若者の軽率な行動を責め あるものは政府の対応に憤慨し あるものはまったくの無関心をきめこみ あるものは若者を危険地帯に行かせた家族を責め あるものはそんな世情を嘆いた。 だれも殺人者を責めるものはいなかった。 いつしか事件は 同時期に発生した地震報道にかき消され 人々から忘れ去られた 私には大きな「違和感」だけが残った。それは今だに取り払われていない。その違和感の正体を見極めてみようと試みるが 深い霧の中に隠されて姿かたちさえも感じることはできない。でも私は言葉にせずにはおれない。言葉として語らなければならないように感じる。この奇妙な違和感の存在を。 我々はあまりに多くの 忘れてはいけないことを 忘れていやしないか 彼の行動は確かに軽率であり、危険なところに行ったのだから殺害されても止むなしという意見に反対するつもりはない。しかし果たして本当にそれでいいのだろうか?彼は線路に飛び出したのでもなければ、ビルから飛び降りたのでもない。彼の行動が自殺行為だと考える人間の何人が、日々の生活に危機感を持って生活しているのだろうか?新潟中部地震の報道を見て、自分の危機管理を行っている人がいるのだろうか?道路交通法を遵守して運転しているのであろうか?暴漢に襲われたときのために身を守る武器を所持しているのだろうか?己の危機管理を棚に上げて他人の危機感の無さを罵ることなどできるのであろうか? 遺族の方々に批判の手紙や嫌がらせの電話があったという。その行為は許されることではない。ただ、そのことについて最近の日本人は変わってきたとテレビの画面を通して述べる人がいる。果たして本当にそうなのか?関東大震災の時、地震は朝鮮人の仕業だというデマが流れ多くの罪もない人々が大衆になぶり殺しにされた。太平洋戦争で民衆は日本の正義を妄信して、戦争に反対する人々を非国民と言って罵っていた。そのことを評論家の皆さんは忘れてしまったのだろうか?それとも知らずに意見を述べているのであろうか? 確かに昨今の変化はめまぐるしい。個人は大きく変わっている。しかし、そのことと人間の「集団としての本質」とを混同することは、集団の思考停止に繋がる。日露戦争の奇跡的な勝利から泥沼の太平洋戦争に突き進む帝国陸軍となんら変わらない。集団としての人間は、今も昔も変わっていないのだ。 国家にしても 集団にしても 思想宗教にしても 「正義」を掲げる集団に 正義は存在しない あるのは利害の計算と 都合だけだ 正義はそれを覆い隠す 隠れ蓑に過ぎない
by bungo_eva
| 2004-11-07 15:14
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